9年で150社以上にビジネスコンサルティングサービス「すごい会議」を通して企業の問題解決の現場に立ち会ってきた弊社代表の太田に話を聞きました。
第2回目は、多様化する仕事観に対応する組織が行うべき「役職間・世代間の考え方のズレを埋めビジネスを円滑に進める方法とは」です。
太田:まず、考え方のズレは発生をするものであると思っていただいた方が良いです。人間ですので、全く一緒ということはありえませんからね。
太田:最もズレが起きやす所は、経営者と幹部メンバーとの間のズレです。
答えは簡単で、「見ているモノが違うから」です。
太田:「会社の文脈」を明確にし、各メンバーとその文脈について合意形成をするということです。
太田:その会社が、どんな会社で何を大事にし、そのためにどのように動いているのかということを「会社の文脈」と表現しています。
そのため、役職間でズレが生じている組織は会社の文脈がはっきりしていないことが原因であることが多いわけです。
太田:はい、違うものであると考えています。ビジョンや理念は、社長の思いをメンバー全員で共有し、言語化したものであり、それを創るプロセスがとても重要です。
そして、創ったあとに、そのビジョンや理念を実現するために動き、継続をしていくことで作り出される会社の雰囲気のようなものが「会社の文脈」になります。
ビジョン・理念を共有し、各メンバーが実現のために、自分事として考え、常にそのビジョン・理念の実現に向けて、何をするべきかを言語化をし、各メンバーが意図的に努力をすることで生まれる、「会社の文脈」とビジョン・理念を一致させていくことがとても重要です。
太田:それは、言っていることとやっていることが違うということです。
例えば、「日本一約束を守る会社」をビジョンに掲げているにもかかわらず、現場では遅刻が蔓延している。それは、言ってることとやってることが一致をしていません。それは問題です。
言ったのであれば、そうであることが求められます。
太田:まずは、社長にビジョン・理念を体現していますか?と尋ねます。そして、幹部の方は?
部長・課長の方は?現場のメンバーの方は?と、実際に言ってることとやってることが体現されているかを尋ねることをします。
そして体現されていないという問題が見つかれば、ビジョン・理念を変えるのか、浸透するように再度アクションを起こすのかを決めます。
太田:そうですね。ここでもしっかりと問題を区別して考え対処をします。
※区別については、こちらの記事をご確認ください。
太田:世代間のズレはあまりないと考えています。仮にズレがあると感じることがあるのであれば考え方のズレではなく、それまでの経験をベースとした仕事の「型」のズレであると捉えています。
太田:はい、「型」とは決まったルールのことです。そのため、それまでのやってきた「型」とは違う「型」でやってもらうとすべての人が抵抗感を感じるわけです。この抵抗感が、世代間のズレと表現されているのだと考えています。
太田:ある程度の経験のある方はそれまでの経験をベースにオリジナルな「型」をお持ちであり、新しい「型」をインストールすることに抵抗感を持ちます。その抵抗感は、新しい「型」の効果性のありなしに関係無く慣れ親しんでいるかどうかで判断をします。
そのため、ある程度の経験のある方が新しい「型」をインストールし、自分を更新することに時間がかかるというようなことはあります。
太田:それは、物理的に新しい「型」を使ってもらう時間をつくります。この時間は、新しい「型」を使うようにご招待し、一定期間はその「型」を試しに使ってもらい、効果を実感してもらうのです。
新しい「型」の効果性を実感すれば、人間は本質的に新しい「型」を使うようになります。そうすれば、世代間の格差は解消できます。
仮に、それでも変わらないのであれば、変わるということに対して、親和性が無いということになります。
そのような人はそもそも変わろうとしている会社の方向性と合わない人材であると判断できるということになりますね。
太田:そうです。より高い成果をあげる人に焦点を当てた方が効果的です。すべての人を横並びに考える必要ありません。
役職間・世代間の考え方の解消するためには、
①役職間のズレにについては、会社のビジョン・理念に対して全員で実現に向けて動けているかを常に確認をする
②世代間のズレについては、新しい「型」の導入に抵抗感を示すメンバーがいた場合は、まずは試しに使ってもらい効果性を実感させる。
③変われないメンバーに照準をあわせることをやめ、変わることに親和性の高いメンバーに照準を当てる。
となります。この問題は、会社全体の方向性を明確に示したのちに、理想と現実のギャップを問題と捉えて、対処していく必要があります。
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次回のセッションテーマは「業績を伸ばした組織の社長が行ったこととは」です。
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