「その問題は先月の会議でも議題にあがっていたよね?」〜問題解決が先延ばしにされる組織がすぐ取り組むべきこと〜

2018/07/04 インタビュー

「その問題は先月の会議でも議題にあがっていたよね?」~問題解決が先延ばしにされる組織がすぐ取り組むべきこと~

ビジネスコンサルティングサービス「すごい会議」を通じて9年で150社以上にわたる企業の問題解決の現場に立ち会ってきた弊社代表の太田から、様々な問題の解決策についてお話を聞いてみました。

 

第1回目は、「問題解決が先延ばしにされる組織」が取り組むべきことについてです。

 

問題の質の変化が重要な指標となる。

多くの経営者の方が「問題解決の先延ばしの解消」は課題としてお持ちのテーマであると思います。まずはそのような組織に見られる特徴を教えてください。

太田:はい、それは「同じ質の問題をいつまでも扱っていること」です。そのような会社は会議で共有される問題の質や内容が、毎回の会議で変わることがありません。

 

問題の棚卸しをし、解決策を出し、実行するべきことを会議で決めているはずなのに、次の会議でまた同じ問題が上がってくる傾向があります。
 

なるほど、それは多くの経営者の方が耳が痛い話かもしれません。そのような事象が見られた場合は、どこから手を付けると良いでしょうか?

太田:まずは、問題の棚卸しから見直しが必要です。そもそも、問題の捉え方は組織によってそれぞれです。

問題を「厄介で悪い事」と定義している組織か、「理想とする状態を実現する上での障害となるもの」と定義している組織であるのかによって、出てくる問題の「質」が違ってきます。

 

どちらも問題かもしれませんが、問題を「理想とする状態を実現するうえでの障害もしくはギャップ」と定義した方が、解決した時のビジネスにおけるインパクトの大きさや燃費の面から効果性が高いとお伝えします。
 

なるほど。捉え方によって大きく違いますね。しかし、理想像をいきなり描くことは難しい場合もあるかと思いますが、その場合は理想像を描くことから始めるということでしょうか。

太田:そうですね。私たちが提供する「すごい会議」では、Day1(1日目の会議)で理想とする状態を共有共通の言葉にする事から始めます。

理想とする状態が明らかになれば、現状とのギャップを把握することができますし、その未来の理想の状態から見たときに、今何ができるか、逆に何を実行しないかという効果性の高い議論ができるようになります。

 

そして、毎回の会議の場で、理想像と現状のギャップを把握し、そのギャップを埋める施策を議論するということができていれば、理論上は問題解決に向けて進んでいくはずです。
 

確かにそうですね。理論上はそうなりますね。

太田:しかし、これはあくまで会議の型のお話ですので、これを会議でやれば解決するという話ではありません。この型通りに会議を進めたとしても、問題の質が変わらないことがあります。
 

はい、そのお話を実感されている経営者の方は多いのではないかと思います。

太田:この場合の多くは、会議で決めたコミットメントに対して実行がされていないことが要因です。

 

例えば、会議で問題解決のために「新規で経営者のアポイントを3社獲得しよう」というコミットメントが設定されたとします。

しかし、次の会議で確認をすると3社のアポイントが獲得できていないのです。

 

おそらくその場合に次のような会話が交わされているのではないでしょうか。

 

「なぜアポイントが取れなかったのか?」

 

「忙しくてできませんでした」

 

ここがポイントです。自分の解釈で会議で決めたコミットメントを変えてしまっているのです。このように、コミットメントを実行せずに問題解決が先送りされている組織がとても多いのです。

 

そもそも、コミットメントに対して「できない」という選択はありません。管理者がここで行わなければいけないことは、実行されていない理由が、「やらない」のか、「やりかたがわからない」のかを明確に区別して考えさせることです。

 

※事実と解釈の区別についてはこちらの記事を参照:

https://www.pygma.co.jp/column/0001

 

このように理由を区別して考える事で、解決するべき問題の質が全く変わってきます。「やらない」のであれば、なぜやらないのか?を解決します。「やり方がわからない」のであれば、「やり方を提案する、指示する」というアプローチになります。

 

このように、実行されていない理由を区別して考えさせ、着実に実行していくことが続けられれば、「問題の先送り」は解決されると考えています。
 

変化を促すには明確な合意形成が重要な鍵となる

この場合は、管理者の役割がとても重要であると思うのですが、いかがでしょうか。

太田:そうですね。その前に、“管理者”は、名前を変えた方が効果的ですね(笑)。

管理者と言われると、管理する人となり、その言葉の通りの行動を行うようになります。

この話はまた今度にして、部下がいて、チームで成果をあげる立場の人は、部下をコーチングをする必要があります。

 

すごい会議を通して、このような組織はどの程度で変わりますか。

太田:半年程度です。まず、社長が大きく変わります。

トップが変わらなければその組織は一生変わらないです。
 

なるほど、しかし社長が変わりたいと願っても、他のメンバーが変わらないという現象が起きているということもあるかと思うのですが。

太田:そのような組織は社長が部下に対して期待している役割について忖度をし、言っていない場合が多いですね。

 

仮に変わってほしい部下が明確であった場合には私は社長にこう聞きます。

 

「社長、そのことを彼に伝えますか?」

 

「いや、伝えてもダメだと思うんだよね」

 

このような会話がなされた場合は、彼に伝えた方が効果性が高いかどうかを社長と会話をし、伝えると決めた場合は、私を含めて3名で会話をし、現状の認識・将来への期待を話し合います。

 

この会話を続ける事で、お互いの認識のずれが埋まり、話した相手は確実に変化して行きます。

本来はお互いが言うべきことを言わずに、合意形成をされていない期待に向かっている事が問題であるわけです。

 

合意形成されていない期待を基に運営をされている組織の現場では多くの「悲しみ」が起こっていると思います。この悲しみを解消することがとても重要です。

 

また、ここでのアプローチで重要なことは、私たちが変えようとするのではなく、本人が変わるきっかけのサポートをしているということです。基本的に、人は完全なもので、誰かが外から直すものではありません。ですので、上長が期待を明確にして伝え、そして本人がアクションを起こすことを支援し、自身で変わるきっかけをつくることが大切だと感じます。
 

ありがとうございました。

まとめ

問題解決が先送りされている組織の課題は、

  1. 理想の状態が言語化され共有されていない
  2. 理想像とのギャップ(問題)の解決策が実行されていない
  3. 問題を区別して考えず、各人の解釈により行動を変えている

となります。この問題は、トップから変わっていくことで解決される問題です。

 

このような課題を抱えている経営者の方は、まずピグマの90分無料ミーティングをご利用いただき、解決の糸口を見つけてください。


次回のセッションテーマは「経営者が役職間・世代間のさまざまなズレを解消した手法とは。」です。
 

 


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