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株式会社ファーストアセント服部社長様 :「レバレッジ倶楽部」会員ご紹介


経営の桁を変える「レバレッジ倶楽部」には、経営の桁を変えること目指して日々奮闘する成長意欲の高い会員企業様が多くいらっしゃいます。そんな参加企業の魅力やビジネスについてご紹介していきます。

今回は、株式会社ファーストアセントの服部社長に、お話を伺いました。




テクノロジーで子育てを変える。日本の「ベビーテック市場」を起こす。





  • 株式会社ファーストアセント
  • 代表取締役社長 服部 伴之さま
  • 設立:2012年10月23日
  • 所在地:104-0061 東京都中央区銀座7-13-6サガミビル2F
  • 受賞歴:

    第14回ペアレンティングアワード モノ部門
    BabyTech Award Japan 2021 健康管理部門 優秀賞
    CES2021 Innovation Awards
    BabyTech Award Japan 2019 健康管理部門 大賞
    第8回 健康寿命をのばそう!アワード
    厚生労働大臣賞 企業部門 優秀賞
    X-tech Innovation 2018 最優秀賞
    かながわビジネスオーディション 2019 各種団体賞
    第8回キッズデザイン賞

  • 事業内容:子育て支援を目的とした自社サービスとして、育児記録アプリ「パパっと育児」、泣き声解析アプリ「CryAnalyzer」、寝かしつけ支援スマートベッドライト「ainenne」、専門家監修の育児支援セミナー&動画サービス「ベビケアプラスチャンネル」を提供。BabyTech や EdTech 領域に特化した新規事業開発や既存事業のデジタル化を支援するサービス「Child First」を提供。
  • 会社URL:https://first-ascent.jp/


目次[非表示]

  1. 1.◆ミッションは「テクノロジーで子育てを変える」
  2. 2.◆研究からビジネスにできる種をたくさん生みだす
  3. 3.◆ベビーテックの『日本市場を起こす』
  4. 4.◆今後のビジョンは、AIを活用してメーカーを巻き込んで拡大し、連携しながら子育て支援サービスを拡大していく


◆ミッションは「テクノロジーで子育てを変える」


太田:今日は、御社(株式会社ファーストアセント)のサービスや提供価値と、今後、どのように桁を変えた成長をしていきたいのか、などお話聞かせいただきたく服部社長にお時間いただきました。よろしくお願いします。


服部:はい。よろしくお願いします。


太田:御社のミッションは「テクノロジーで子育てを変える」だと思うのですが、この分野を選択して会社を経営している、その理由を教えてください。


服部: 起業前はIPOを目指していたベンチャー企業で、長年CTOとしてナンバー2的なポジションをやっていたのですが、なかなかIPOという結果を出せず悩んでいました。当時の会社でまた新たなチャレンジをしてIPOを目指すかどうかを考えるタイミングが38歳の時に訪れたのですが、「これからの人生」を考えて、悔いのないように自分でやろうと決めて独立をしました。もともと自分自身はコツコツと継続できるタイプなので、小さな積み重ねが価値につながる事業をやりたいと思っていたのと、独立するタイミングで自分の子育てに直面していたことから、「子ども」×「小さな積み重ね」で大きな「価値」を生むような事業をやろうと考えました。実際に子育てをしてみると、思ったよりも環境が整っていないという事がわかり、同じような問題、課題に直面している人がたくさんいることがわかっていました。社会的な価値が高いと感じたので、この問題解決に骨をうずめてもいいなと思うようになったのです。


太田: そういう背景があったのですね。率直に言って、なかなかビジネス化のハードルが高い分野だと思われるのですが、そのあたりは実際のところいかがですか?


服部: 起業1年目は本当にこの事業でお金がどうにかなるのかという不安はありましたし、なかなかやっぱり難しいビジネスドメインだとは思っていました。ただ、当時はSEOをハックしたクオリティの低い情報が氾濫していた時代でしたので、エビデンスに基づいた情報を届けたいという思いがありました。そのためにメディアを作るというのも、既に似たようなメディアはたくさんありますので、面白くないですし。そこで考えたのが、育児記録アプリでデータを集めて、自分たちで研究からやってしまうという考えです。それで生まれたのが、育児記録アプリの「パパっと育児@赤ちゃん手帳」です。

【AppStoreサイト】https://itunes.apple.com/jp/app/papatto-yu-er-chichan-shou/id695577844?mt=8


ただ、それが本当にお金になるかどうかは分からなかったので、初年度は他の(すぐにお金になる)事業もやっていたんですが、2年目に利用状況とデータ解析の結果を見て、ここにコミットしようと決めました。

しかし実際に売上に結びつくのはだいぶ先のことだと思っていたので、この事業を継続していく体制として、受託開発を行える体制を築き、お金を稼ぎながら研究開発を続けることにしました。マネタイズもそうですが、本当の意味で社会に浸透するには、かなり時間がかかる分野だと思っていますので、自分の娘に子どもが生まれたときに、「お父さんが作ったサービスを使っている」なんていう世界を夢見てやっています。


太田: ありがとうございます。いい話じゃないですか。


服部: そうですね。話はいいと思います。 ただ利用状況とデータ解析の結果は売上とリンクさせていなかったので、経営という意味では、結構苦労はしてきましたけれども(笑)。


◆研究からビジネスにできる種をたくさん生みだす

太田: 転換点は何だったんですか?


服部: 一番最初の転換点は、成育医療研究センターとの共同研究でしたね。データの正しい見方や課題発見について学べました。その次が、赤ちゃんの泣き声を解析するという研究開発を成功させられたことかなと思っています。

参考プレスリリース)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000023831.html


太田:なるほどですね。 それとビジネスはどうリンクするんですか?


服部: 研究からビジネスにできる種をたくさん生むことができています。

弊社では、今までにもパパっと育児や泣き声解析AI、ainenne(あいねんね:https://ainenne.com/)など、ソフトウェアにとどまらずハードウェアもサービスとして提供してきておりますが、これ以外にも世に出ていない試みというのは実はもっといっぱいやっています。テスト的にサービスを提供できるユーザをパパっと育児で抱えつつ、研究開発で生み出したサービスを試してもらうというのが当社のやり方です。


太田: 色々な制約がある中で、研究開発的な領域にも取り組まれていることはすごいですね。それをビジネスとして形にするというのは、またさらにすごいですね。


服部: はい。ありがとうございます。どちらかというと以前(起業前)は、流行りに乗るような感じでやっていまましたが、それよりも自分のパーソナリティに合致した、コツコツやって価値を築き上げることを意識しています。ありがたいことに、サービスを始めてから9年が経っていますけれども、9年間ずっと子育ての記録を付け続けてくれているユーザーもいるんですよね。


太田: すごいですね。


服部: こういうデータは本当に貴重で、誰かが同じ研究をやろうと思って、その研究を今から始めたとしても、実際に結果を出すまでに9年間かかるんですよね。


太田: 確かに。


服部: 後発の方が9年やっている間に、僕たちはもう9年のデータを取れるわけなので。そういうところを本当に価値としたサービスを構築できたら強いなと思って。頭の中では常に “たられば”でサービスアイデアがあって、それを、今も試しています。


◆ベビーテックの『日本市場を起こす』


太田: 改めてになりますが、ファーストアセント社は、何をしている会社と読者は受け止めておけばよろしいですか?


服部: “ベビーテック”といわれる子育てのIT活用全般をやっていて、この分野に関して自社でも研究をやっていますし、共同研究、共同開発みたいなものもやっています。まだまだ日本で未成熟なこのベビーテックの『市場を起こす』活動をやっている会社です。


太田: ありがとうございます。


服部: 欧米ですと、ベビーテックの市場はすでにかなり大きい市場になっていまして、ユニコーン企業も生まれていますね。一方で、日本だとまだまだ文化の違いもあってか市場としてはこれからというところですね。


太田: どんな違いが影響していると思われますか?


服部: 欧米だと親が赤ちゃんを別の部屋に寝かす人が多いですよね。別の部屋だと赤ちゃんの様子を確認出来ません。そのためIT機器で赤ちゃんを見守る、センシングするサービスは、欧米の人たちにとっては非常に相性が良く、今まで出来なかったことができるようになるという意味で、すんなりと受け入れられています。。

ですが、日本の場合は、いつでも赤ちゃんがすぐ隣にいるケースが多いので、見守るようなサービスを利用することは、「赤ちゃんから目を離す」という発想につながり、育児を怠けているようなイメージを持たれることが多いようです。ベビーシッターの利用頻度も、欧米と日本では大きく乖離がありますし、こういった文化の違いがあって、欧米の人の方がフラットにこういったベビーテックを使うんですよね。

私は「そういう欧米的な文化になりましょう。」ということを言っているわけではありません。最新のテクノロジーを活用すれば、より深く赤ちゃんのことが分かるようになり、結果として、「赤ちゃんとのコミュニケーションがより良く取れるようになる」と思っているので、テクノロジーをうまく活用すると、今よりいいことあると思いますよとお伝えしたいのです。だからベビーテックという市場を日本でも作っていきたいと思っています。


太田: なるほどですね。


服部: 創業した頃は、もうちょっと早く日本でもベビーテックが広がることを想像していたのですが、意外にこの子育てに対する(日本での)考え方は変わらなくて、広がるのに時間がかかっています。ただ、最近はメディアでベビーテック特集を組まれることが増えてきて、そういった時に当社ほど振り切ってベビーテックに力を入れている会社がないのでフロントランナーとしてお声がけをいただけるようになりました。このまま突っ走れれば良いのですが、信用力という意味で大企業とのコラボレーションも必要と考えており、昨年はユニ・チャーム様からも出資して頂くなどしています。このようにご支援を頂いている大企業の方々と一緒にこの市場を作り切るぞというのがミッションだと思って、やっています。


◆今後のビジョンは、AIを活用してメーカーを巻き込んで拡大し、連携しながら子育て支援サービスを拡大していく


太田: 素敵ですね。 最後に、今後のビジョンを教えてください。


服部: 先日、ベビケアプラス(https://babycare-plus.com/)というブランドを立ち上げました。ベビケアプラスで使うベビケアプラスIDは、当社のサービスの共通IDでして、同時にリリースした動画による育児支援サービス「ベビケアプラスチャンネル」や「パパっと育児」、「ainenne」などもすべて連携してサービスをお使いいただけるようになります。これにより、子育ての情報を一つにまとめ、バリエーションに飛んだデータからAIを活用して、子育てをサポートできるようになります。この連携を今後、いろいろなメーカーなどを巻き込んで拡大していって、いろいろな育児用品を使った時に、その情報を元にそれにあった子育て支援を提供していくなんていう未来が作れたらと考えています。


インタビュアー: 株式会社ピグマ 太田智文

インタビュー日:2022年3月10日(木)

太田智文

太田智文

すごい会議 プロフェッショナルコーチ。これまでに170社を超える企業での導入実績がある、顧客からの信頼を得続けるコーチである。

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