会議体とは、特定の目的のために継続的・定期的に開催され、あらかじめ定めた決議要件と決定権者にもとづいて意思決定を行う会議の仕組みを指します。1回限りの打ち合わせではなく、目的・参加者・開催頻度・意思決定のルールをあらかじめ定めた「制度」に近い存在です。
たとえば取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その出席者の過半数の賛成によって成立するのが原則で、全員一致である必要はありません(会社法第369条第1項)。会議体で重要なのは、合意の取り方がその場の空気ではなく、あらかじめ決められている点です。
株主総会や取締役会、経営会議、各種委員会などが代表例です。上場企業は会社法上の公開会社にあたるため、取締役会の設置が義務づけられています(会社法第327条第1項)。これに加えてどの会議体が置かれるかは、選択した機関設計によって変わります。監査役会設置会社であれば監査役会、監査等委員会設置会社であれば監査等委員会、指名委員会等設置会社であれば指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3委員会が置かれ、いずれも規程に沿って運営されます。
中小企業であっても、経営会議や部門会議、プロジェクト会議を「会議体」として設計しておくことで、誰が・いつ・何を決めるのかが明確になり、その場しのぎの打ち合わせを減らせます。
会議体は、目的によって大きく3つのタイプに分けられます。自社にどのタイプの会議体が必要かを考えるうえでの土台になります。

取締役会・役員会議・経営会議などが該当します。全社的な戦略や重要案件について、経営に責任を持つメンバーが意思決定を行う会議体です。このうち取締役会は会社法にもとづく法定の機関で、決議要件も法律で定められています。一方、役員会議や経営会議は各社が任意で設ける会議体であり、決議要件や決定権者は自社の規程で決めることになります。年次や四半期、月次など、比較的長いサイクルで開催されるのが一般的です。
| 名称 | 参加者 | 頻度 | 目的 |
| 経営会議 | 経営陣 | 月1〜2回 | 全社的な重要事項の意思決定 |
| 部門会議 | 部門メンバー | 週1回 | 実行計画の確認・調整 |
| プロジェクト進捗会議 | プロジェクトメンバー | 週〜月1回 | 進捗の報告と継続可否の判断 |
| 委員会(人事・リスクなど) | 担当役員・関係部署 | 月1回程度 | 特定テーマの審議・承認 |
なお、1on1ミーティングは上司と部下の2名で行う対話の場であり、決議要件にもとづいて意思決定を行う会議体そのものではありません。ただし、会議体で決まったことを個人の行動計画に落とし込む接続点として機能するため、会議体の設計とセットで考えておく価値があります。
この一覧はあくまで一般的な目安です。自社に必要な会議体は、規模や意思決定の階層によって変わるため、次の章で紹介する手順で洗い出していきます。
会議体という仕組みを整えていても、実際には機能していない企業は少なくありません。背景には、日本企業全体の生産性の水準もあります。公益財団法人日本生産性本部が2025年12月に公表した「労働生産性の国際比較2025」によると、2024年の日本の時間当たり労働生産性は60.1ドル(5,720円)で、OECD加盟38か国中28位でした。
会議体は、限られた労働時間の中で意思決定を積み重ねる仕組みです。目的とゴールがあいまいなまま運営されている会議体では、時間をかけても決定に至らず、生産性の低さをさらに助長する結果になりかねません。


まず、自社の意思決定が「長期の方向づけ」「中期の計画」「日々の実行」のどの階層で行われているかを整理します。年次・四半期・月次・週次・日次という時間軸に沿って、どの階層にどんな会議体が必要かを洗い出してください。
会議体を整えても、決定事項が実行に移されなければ意味がありません。決めたことを誰が・いつまでに・どう実行するかまで、会議体の設計に組み込んでおくことが重要です。
美術品・骨董品の買取販売を手がける株式会社緑和堂では、経営者への依存体質と店長層の育成が課題でした。すごい会議の導入後は、店長層を対象にした週1回の会議体を新設し、全国8店舗の店長が目標の検討とPDCAを回す場へと転換しています。だらだらと続く報告会議ではなく、成果に直結する会議体へと設計を変えた結果、2期目には売上が前年対比140%以上に成長しました。
会議体の設計に自信が持てない場合は、まず現状の会議を棚卸しし、どれを会議体として整理すべきかを専門家と一緒に確認するのも一つの方法です。ピグマでは、自社の会議体の課題を整理しながら進め方を相談できる90分1on1ミーティングを用意しています。他の導入事例もあわせて参考にしてください。
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