利益5億円の壁を突破する組織論|社長の限界をチームの可能性に変える「人」の経営戦略

2025/12/15

こんにちは。株式会社ピグマです。
「売上は順調に伸びてきた。しかし、利益だけがどうしても目標に届かない」 「社員数は増えたが、それに比例して問題も増え、社長である自分の時間が全くない」 「幹部に任せたいが、結局自分が手を出さないと現場が回らない」

もしあなたが今、このような閉塞感を感じているなら、それは貴社が「家業(オーナー商店)」から「企業(組織)」へと脱皮しなければならないタイミングに来ている証拠です。
結論から申し上げます。経常利益5億円という「トップ1%」の領域に到達するために必要なのは、画期的な新商品でも、奇抜なマーケティングでもありません。それは、「勝手に稼ぎ出す組織」を作るための人材戦略とカルチャー変革です。

多くの中小企業経営者は、売上10億円・利益1億円程度までは、社長のカリスマ性とハードワーク、そしてトップダウンの統率力で到達できます。しかし、利益5億円という数字は、社長一人の能力の限界を遥かに超えた領域にあります。ここを目指すには、社長が現場を離れ、優秀な人材が自律的に動き、組織全体が有機的に機能する仕組みが不可欠です。

この記事では、「すごい会議」のメソッドを通じて数多くの企業の組織変革を支援してきたピグマの視点から、中小企業が利益5億円の壁を突破するための「人・組織・リーダーシップ」の極意を徹底解説します。精神論ではない、明日から使える「組織のOS」を書き換える手法を持ち帰ってください。

利益5億円を阻む「組織の壁」の正体とは?

まず、なぜ多くの企業が利益1億円〜3億円のレンジで停滞してしまうのか。その原因は市場環境ではなく、組織内部の構造的な問題にあります。

社長の「トップダウン」が成長のボトルネックになる瞬間

創業期において最強の武器であった「社長の強力なリーダーシップ」が、ある規模を超えると最大のリスク要因へと変わります。

意思決定の渋滞が利益を食いつぶす

社員が30名、50名と増えても、全ての決裁権を社長が持っていればどうなるでしょうか? 社長のデスクには承認待ちの書類が山積みになり、現場は「社長のOKが出ないと動けない」状態になります。ビジネスチャンスは一瞬です。現場が顧客の要望に応えようとしても、社長の決裁を待っている間に競合に奪われてしまう。この「意思決定の遅れ」の積み重ねが、利益5億円への道を閉ざしています。

「社長の正解」が「市場の正解」とは限らない

組織が拡大すると、社長が現場の最前線(一次情報)に触れる機会は物理的に減ります。それにもかかわらず、過去の成功体験に基づいてトップダウンで指示を出し続けると、現場の実情と乖離した判断を下すリスクが高まります。現場を知らない指揮官の命令は、社員の疲弊とモチベーション低下を招き、結果として生産性を著しく低下させます。

組織拡大に伴う「人材の質の希薄化」と「サイロ化」

「人が増えれば売上も上がるはず」というのは幻想です。適切なマネジメントがなければ、人は増えるほどに一人当たりの生産性は下がります。

採用基準の妥協が招く「凡庸化」

急成長する企業が陥りやすいのが、「とにかく人手が足りないから」という理由での採用基準の引き下げです。「とりあえず手足が動く人」を採用し続けると、組織全体の基準値(スタンダード)が下がります。優秀な人材ほど、ぬるま湯のような環境やレベルの低い同僚にストレスを感じ、組織を去ってしまいます。結果、会社に残るのは「そこそこの人材」ばかりとなり、高収益を生む体質が失われます。

部門間の壁(セクショナリズム)の発生

人数が増えると、「営業部」「製造部」「管理部」といった部門間の壁が厚くなります。「営業が無理な受注をするから現場が混乱する」「管理部がうるさいから営業できない」といった責任のなすりつけ合い(他責)が始まります。全員が「部分最適」を追求し、「全社利益(全体最適)」を見る人がいなくなる。これが、利益が伸び悩む組織の典型的な症状です。

ステップ1:社長の役割変革|「プレイヤー」を卒業し「ビジョナリー」になる

利益5億円を目指すなら、社長自身がまず変わらなければなりません。それは「誰よりも稼ぐ営業マン」を辞め、「組織の未来を描く建築家」になることです。

自身の業務を「やらないこと」リストで整理する

社長の時間は最もコストが高く、最も希少なリソースです。その時間を「誰でもできる仕事」に使ってはいけません。

権限委譲のための「任せる技術」

多くの社長が権限委譲に失敗するのは、「任せ方」が間違っているからです。「これやっておいて」という丸投げではなく、「期待する成果(ゴール)」「期限」「守るべきルール」「使用してよいリソース(予算・人)」を明確に定義して合意する必要があります。「やり方」は任せても、「結果責任」の所在は明確にする。これが正しいデレゲーション(権限委譲)です。

社長にしかできない仕事に集中する

社長が手放してはいけない仕事は以下の3つだけです。
・ビジョンと戦略の策定: 会社がどこへ向かうのか、どうやって勝つのかを示す。
・企業文化(カルチャー)の構築: 組織の価値観や行動指針を浸透させる。
・主要幹部の採用と育成: 自分と共に経営を担うコアメンバーを作る。 これ以外の業務は、勇気を持って部下に任せるか、外部にアウトソースすべきです。

「言葉」を変えて、組織の視座を引き上げる

組織はリーダーの言葉で作られます。社長が発する言葉が変われば、社員の意識も変わります。

「できない理由」を「できる方法」に変換する問いかけ

売上が未達の時、「なんでできないんだ?」と詰めていませんか? 過去を問う質問は、部下に「言い訳」を探させます。「不況だから」「競合が強いから」といった解説を聞いても利益は増えません。 必要なのは、「どのようにすれば(How might we)、この状況下で目標を達成できるか?」という未来志向の問いかけです。この言葉が、脳を「言い訳モード」から「解決策模索モード」へと切り替えさせます。

「ありえない目標」を公言する

利益5億円を目指すなら、今の実力の延長線上にある目標を掲げていてはいけません。「3年後に利益5億円」という、現状からは想像もつかないような高い目標(ムーンショット)を掲げてください。その強烈なギャップが、従来のやり方を否定し、イノベーションを生む強制力となります。「無理だ」と諦めるのではなく、「その目標を達成するためには、今のやり方の何を変えなければならないか?」を考えさせるのです。

ステップ2:最強の経営チーム(幹部)の育成|No.2、No.3をどう育てるか

社長一人で5億円は稼げません。社長と同じ視座で物事を考え、現場を統率できる「経営幹部チーム」の構築が急務です。

イエスマンを排除し、対等に議論できるチームを作る

社長の顔色を伺うだけの幹部は、組織にとって害悪です。必要なのは、社長の意見に対して「それは違います」と言える参謀です。

健全な衝突(コンフリクト)を歓迎する文化

会議室では、社長も新人も対等です。「誰が言ったか」ではなく、「どの意見が目標達成に最も効果的か」だけで判断されるべきです。ピグマの「すごい会議」では、社長への忖度を一切禁止します。激しい議論は、組織が本気で目標に向かっている証拠です。対立を恐れず、事実に基づいて徹底的に議論し尽くす。そして、一度決まったら全員でコミットする(Disagree and Commit)。この規律が強いチームを作ります。

役割と責任(R&R)の明確化

幹部一人ひとりに、「管掌範囲」と「定量的な責任(数字)」を明確に持たせます。「営業部長」という肩書きではなく、「営業利益◯億円に対する最終責任者」という定義です。責任が曖昧だと、問題が起きた時に「あいつのせいだ」という他責が生まれます。

幹部に求められる「問題解決能力」を高める

幹部の仕事は、発生した問題を社長に報告することではありません。問題を自ら発見し、解決することです。

事実と解釈を分けるトレーニング

「部下のモチベーションが下がっています」という報告は、単なる「解釈」です。「アポイント数が先月比で20%減少しています」「離職者が今月2名出ました」というのが「事実」です。幹部には、感情や主観を排し、数字と事実(データ)に基づいて語ることを徹底させます。事実が見えれば、打つべき手は自ずと決まります。

解決策を持参させるルール

「社長、どうしましょう?」という相談を禁止します。「現状の課題はAです。解決策としてB案とC案があります。私はB案が最適だと考えます。なぜなら〜だからです。ご決裁をお願いします」という形式(コンプリーテッド・スタッフ・ワーク)を徹底させます。これにより、幹部の思考力と意思決定能力が養われます。

ステップ3:採用戦略の抜本的見直し|「コスト」ではなく「投資」としての採用

組織のレベルは、そこにいる人のレベルで決まります。利益5億円を目指すなら、今の社員の延長線上で考えるのではなく、外部から新しい血を入れることも重要です。

ハイスキル人材を採用するためのマインドセット

「うちは中小企業だから優秀な人は来ない」というのは思い込みです。

年収1000万円は高いか、安いか?

年収400万円の社員を3人雇うのと、年収1200万円のプロフェッショナルを1人雇うのでは、どちらが利益に貢献するでしょうか? 利益5億円を目指すステージでは、後者が正解になるケースが多いです。例えば、マーケティングのプロを1人入れることで、売上が数億円伸びるなら、その1200万円は極めてROI(投資対効果)の高い投資です。人件費を「コスト」として削減するのではなく、「リターンを生む資産」として捉え直してください。

必要なのは「Job Description(職務記述書)」の解像度

優秀な人材を採用できない最大の理由は、求める人物像とミッションが曖昧だからです。「営業ができる人」ではなく、「1年以内に新規事業の売上を0から3億円にできる人。そのために必要な予算権限はこれだけ与える」というように、期待値と権限を具体的に提示します。優秀な人材ほど、裁量権とチャレンジングな目標に惹かれます。

採用ミスマッチを防ぎ、定着率を高める工夫

採用したエース級の人材がすぐに辞めてしまうのは、カルチャーアンマッチが原因です。

スキルよりもカルチャーフィットを優先する

どんなに能力が高くても、会社の価値観(バリュー)に共感できない人材は組織を破壊します。面接では、実績だけでなく「過去の失敗にどう向き合ったか」「チームで働く上で何を大切にしているか」を深く掘り下げます。「すごい会議」では、能力だけでなく「素直さ」「前向きさ」「約束を守る姿勢」を重視します。

オンボーディングプロセスの仕組み化

中途採用者が初日から活躍できる魔法はありません。入社後3ヶ月間、誰がメンターとなり、どのような目標を達成させるかという計画(オンボーディングプラン)を緻密に設計します。放置して「お手並み拝見」とするのは、投資をドブに捨てるようなものです。

ステップ4:自走する組織を作る「評価」と「会議」の仕組み

優秀な人材が集まっても、それを活かす「器(システム)」がなければ機能しません。

公平感と納得感を生む評価制度の再構築

「社長の好き嫌い」で給与が決まる会社では、優秀な人材は残りません。

成果と報酬の連動性を明確にする

利益5億円を目指すなら、成果を出した人間が報われる仕組みが必要です。「頑張ったから」ではなく、「これだけの利益をもたらしたから、これだけのボーナスを出す」という明確な計算式(プロフィットシェアリングなど)を導入します。これは、社員にとってのモチベーションになるだけでなく、経営者にとっても「利益が出た分しか払わなくて良い」というリスクヘッジになります。

360度評価で多面的な視点を取り入れる

上司からの評価だけでなく、同僚や部下からの評価も取り入れます。これにより、数字だけを作って周囲を疲弊させる「クラッシャー」や、目立たないがチームを支えている「縁の下の力持ち」を適切に評価できます。

組織の生産性を最大化する「すごい会議」の導入

組織のスピードは「会議」で決まります。ダラダラとした報告会議を廃止し、意思決定の場へと変えます。

会議の時間を半分にし、成果を2倍にする

「すごい会議」の鉄則は、時間を区切ることです。議論が紛糾して結論が出ないのは、時間が無制限にあるからです。「この議題は10分で決める」と宣言し、タイマーをセットします。時間が来たら、不完全でも何らかの意思決定を下します。「決定しないこと」が最大のリスクだからです。

アクションプランには必ず「誰が・いつまでに」をつける

会議の最後には、必ず「誰が(Who)」「いつまでに(When)」「何をするか(What)」を確認し、書面に残します。「みんなで頑張る」「なるべく早くやる」という曖昧な約束は禁止です。そして、次の会議の冒頭で、その約束が守られたかどうかを厳格にチェックします。この繰り返しが、組織に「規律」と「実行力」を植え付けます。

利益5億円を達成するための組織・人材チェックリスト

最後に、貴社の組織が今どのレベルにあり、何が不足しているかを確認するためのチェックリストを提示します。

リーダーシップ・マインド

・社長は現場のプレイヤー業務を離れ、戦略と組織づくりに時間の50%以上を使えているか?
・「現状維持」ではなく、「ありえない目標」を掲げ、社員を鼓舞できているか?
・社員の「できない言い訳」を受け入れず、「どうすればできるか」へ誘導できているか?

幹部・チームビルディング

・社長に対して、忖度なしに反対意見を言える幹部が2名以上いるか?
・幹部は自分の管掌部門の数字に対して、100%の責任を負っているか?(社長のせいにしないか?)
・会議で決まったことは、好き嫌いに関わらず全員が実行しているか?

採用・評価

・「コスト」ではなく「投資」として、自分より優秀な人材を採用する覚悟があるか?
・採用基準(スキル・カルチャー)が言語化され、面接官全員で共有されているか?
・成果を出した人が正当に報われ、ぶら下がり社員が居心地悪くなる評価制度になっているか?

まとめ:利益5億円企業への変革は「社長の決断」から始まる

利益5億円という数字は、多くの中小企業にとって「夢」のような数字に見えるかもしれません。しかし、実際にその壁を越えた企業に共通しているのは、特別なビジネスモデルを持っていたわけではないということです。彼らはただ、「人」と「組織」の可能性を信じ、凡事徹底のレベルを極限まで高めただけなのです。
「今のメンバーでは無理だ」と諦める必要はありません。しかし、「今のやり方」のままでは絶対に到達できません。 組織を変えるには、痛みを伴う決断が必要です。
・慣れ親しんだ古参社員と道を分かつことになるかもしれません。
・自分のやり方を否定し、部下に頭を下げる場面があるかもしれません。
・高い給与を払って迎えた外部人材と衝突するかもしれません。
それでも、その痛みの先にしか、利益5億円という景色はありません。

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